水虫(白癬菌感染症)とは|clila疾患情報

【目次】

1.水虫とは
2.原因
3.水虫(足白癬)の症状
4.診断の方法
5.治療(外用)のポイント
6.治療(日常)のポイント
7.鑑別診断

 

1.水虫とは

 水虫とは足白癬の俗称です。足白癬は真菌の感染症です。

 皮膚科の疾患には俗称で呼ばれている疾患がたくさんありますが、正式な名称を知っておきましょう。また俗称にはいくつかの疾患を含めてしまっていることもあります。

 

2.原因

真菌症について

白癬菌は真菌の一種

白癬菌は真菌の一種で、さらに真菌の中で皮膚糸状菌とよばれる菌の一種です。真菌症は真菌によって皮膚病変を生じる疾患ですが、皮膚の浅い部位、表皮に限局する浅在性真菌症(白癬、カンジダ症、マラセチア感染症)なと真皮以下を寄生の主座とする深在性真菌症(スポロトリコーシスなど)に分類されます。

 

白癬菌の感染症

白癬菌の感染は皮膚(主に角層)に寄生して生じます。

寄生する部位により様々な俗称があります。一番多いのは足白癬(水虫)ですが、小児に好発する東部白癬(しらくも

、中心治癒傾向を示して環状になる体部白癬(ぜにたむし)、陰部に生じる股部白癬(いんきんたむし)などがあります。

 

3.水虫(足白癬)の症状

3つの病型があります。

1.趾間びらん型

最も多い病型であり、第4趾間に好発します。趾間の紅斑と水疱として始まり、鱗屑を付したり白く浸軟してきたりします。鱗屑がはがれてびらんを形成することもあります。ここから二次感染をおこすこともあります。

 

2.小水疱・鱗屑型

土踏まずや足の付け根などに好発します。最初は小水疱でそれが乾燥して鱗屑を認めるようになります。

 

3.確執増殖型

踵部に好発します。角質増殖を起こして固くなります。亀裂を生じると疼痛があります。

 

4.診断の方法

 皮膚の鱗屑をすこしとって、水酸化カリウム溶液で角質を溶かしたのちに、顕微鏡を使って鏡検し菌糸や胞子を認めると診断できます。

 基本的にはこの検査をせずに「水虫かもしれないから抗真菌薬を塗ってみる」というのはお勧めできません。この検査を行って確認してから治療を開始します。抗真菌薬を外用してしまうと、検査をしても菌が見つからなくなってしまうのです。

 

5.治療(外用)のポイント

  浅在性白癬症の多くは抗真菌約の外用で改善します。最近の多くの抗真菌剤は1日1回の外用です。特殊な例として、広範囲の体部白癬や角質型の足白癬では難治な場合があり、抗真菌薬の内服を行うこともあります。

 外用は改善してすぐ中止するのではなく、臨床的に皮疹がなくなってからも1か月くらいは続けることをお勧めします。 

 

最近感染の合併に注意

 趾間型でびらんになっているときには、抗真菌剤の外用でかえって悪化してしまうことがあります。そのような場合にはびらんを乾かす外用剤で先に治療してから抗真菌剤の外用を行います。

 感染を合併しているときにも同様です。趾間の皮疹がひどくなって細菌感染を合併すると、痛みを生じ、びらんになってジクジクしたり、周囲に発赤を生じます。このような場合には、びらん面に抗菌薬を含む外用剤、亜鉛華軟膏などで乾かすとともに、抗生剤内服を行います。細菌感染が落ち着いてから、真菌が鏡検にて確認できれば、抗真菌薬を使います。

 

6.治療(日常)のポイント

 早期の治癒を目指し、家族への感染を防ぐには、日常生活の注意が非常に重要です。

 素足で履いたサンダル、使用したバスマットなどでは、白癬菌が増殖してしまいます。せっかく治療してもそのサンダルをまた履いたら菌がもどってしまいます。バスマットを家族と共有すると家族にもうつってしまう可能性があります。

 家では綿の靴下を着用する、バスマットには自分専用にタオルを敷いて、毎日選択して乾かすようにしましょう。入浴は普通に行って大丈夫です。入浴後によく乾かしてから、1日1回の外用薬を塗りましょう。使ったタオルももちろん毎日選択してください。

 

7.鑑別診断

異汗性湿疹

汗によって悪化した湿疹です。趾間型、小水疱・鱗屑型では鑑別が必要となります。

掌蹠膿疱症

無菌性膿疱が土踏まずを中心に多発し、乾くと鱗屑となり全体に赤い局面を形成します。小水疱・鱗屑型で鑑別が必要になります。

亀裂性湿疹

角化型で鑑別が必要です。年齢とともに踵の角化が進み、固くなってくるのは頻繁にみられることです。

いずれも足白癬を考えても、鏡検で菌がみつからないことから鑑別します。湿疹ではステロイド軟膏を使うこともありますが、これは真菌であれば悪化させてしまうこともあります。踵の角化が強ければ、尿素軟膏、サリチル酸ワセリンなどで、日常のケアが重要です。

正しい診断の上での治療選択、経過をみて治療を変更することが大事であり、そのような可能性を患者さんにきちんと説明しておくことが必要です。

 

永井 弥生   皮膚科医  皮膚科医として群馬大学病院准教授まで務め、豊富な経験を持つ。その後、医療安全担当者として大きな問題となった医療事故を発覚させ、3年半に渡って担当。医療者と患者の間のコンフリクト(苦情・クレーム・紛争等)対応の第一人者として、講演や研修などを行う。2017年オフィス風の道を立ち上げ、医療者と患者を繋ぐための活動を開始。皮膚科医としても群馬県内の病院にて診療している。

 

 

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