出産はどこで相談すべき?失敗しない出産の病院の選び方

出産の流れが分からない、病院はどのように選べばよいのか、妊娠中の病院変更はいつまで可能かなど悩んでしまう妊婦の方は多くいます。

そこで、今回は出産の種類やそれぞれの病院の特色など、例を挙げながら出産の病院選びに役立つポイントを見ていきましょう。

出産とは

赤ちゃんと胎盤や羊水などの付属物が母親の体から娩出されることが出産です。
ほかには分娩、お産などと呼ばれることもあります。

妊娠・出産で病院に通う理由

出産では、清潔な環境で適切な処置を施す必要があります。

分娩はいつもスムーズに安全に進むわけではありません。
途中で赤ちゃんや母体に異常が見られる場合には、帝王切開に変更するなどの対応が必要になります。

妊娠経過も通院しながら医師、助産師に見てもらう必要があります。
異常な妊娠経過は自分で気付くことが難しいだけでなく、自身では対処できないためです。

赤ちゃん・母体とも安全に妊娠・出産を終えるためには、かかりつけ医を持ち医療サポートやアドバイスを受けることが大切です。

出産の病院を予約するタイミング

病院での出産を希望する場合、「分娩予約」が必要です。
人気の産院は予約が埋まりやすいため、余裕を持って妊娠3ヶ月ごろまでには、分娩予約を済ませておきましょう。

病院によっては、「妊娠〇〇ヶ月までに分娩予約が必要」など独自のルールを決めているところもあるため、早めに確認することをお勧めします。

妊娠中の経過観察で通院している病院と、出産で入院する病院を別々に予約されている方も多く存在します。
大切な赤ちゃんと対面する出産において、一番信頼のおける病院を選ぶことが大切です。

妊娠中・出産前の検査

妊娠前検査

一般的に、出産前までに確認しておくべき検査内容は以下が挙げられます。

血液検査

・感染症
一般的な内容として、B型・C型肝炎ウイルス、梅毒、HTLV-1、HIV、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ、風疹などの感染症の確認

・血液一般
ヘモグロビン、肝機能、腎機能、血糖値など一般的な内容の確認

・血液型、不規則抗体
輸血が必要になった場合に備えての確認

超音波検査

骨長や推定体重などから正常に発育しているかを確認したり、明らかな心臓、脊椎、脳などの異常がないかを確認します。
状態によっては救命のために、出生後すぐ新生児科の医師による管理が必要です。

そのような出産に対応可能な病院への転院が必要になることもあるため、事前に確認しておくことは重要です。
ただし、全ての先天異常が事前に分かる訳ではないことは知っておきましょう。

※妊娠経過中にルーチンで行われる超音波検査は、「出生前検査・診断」の精密な検査とは異なります。

※厚労省では、妊婦健康検査の毎月受診が推奨されています。
すこやかな妊娠と出産のために|厚生労働省

出産方法の種類

出産方法は大きく経膣分娩と帝王切開に分けられます。
さらに経膣分娩は、その方法によって自然分娩、計画分娩、無痛分娩に分かれます。

母子の状態や病院の方針、自身の希望によって、それぞれ適した方法を選択することが可能です。

経膣分娩

産道を通って赤ちゃんが出てくる出産方法です。

(1)自然分娩

自然な陣痛が始まってから子宮口が開くのを待ち、赤ちゃんが母親の子宮から膣を通って生まれる出産方法です。

自然分娩中の痛みや不安を和らげる目的で、ラマーズ法やソフロロジーといった呼吸・イメージ法が取り入れられたり、分娩台での出産にこだわらず好きな姿勢で出産に臨めるフリースタイル分娩などがあります。

(2)計画分娩

あらかじめ出産予定日を決め、計画的に分娩を行う方法です。陣痛促進剤(子宮収縮剤)を使って陣痛、破水を誘発します。

母子の状態によって、自然な陣痛を待たずに早期に出産を行う必要がある場合や病院の人員や設備の関係で計画的に分娩を行わなければならない場合などに行われます。

病院の分娩予約が混雑していて、効率的に分娩を行うために、計画分娩が選ばれる場合もあります。
人気のある産院ではそのようなケースも少なくありません。

(3)無痛分娩

硬膜外麻酔を行うことで出産の痛みを緩和させた状態で経膣分娩を行う方法です。
施設によっては硬膜外無痛分娩、和痛分娩と呼ばれることもあります。

硬膜外麻酔の処置・管理ができる医師が必要なため、日本ではあらかじめ分娩日を計画する「計画無痛分娩」を行う病院がほとんどです。

帝王切開

手術によって腹部、子宮を切開し、膣を経由することなく赤ちゃんを取り出す方法です。

子宮口が胎盤で塞がれている場合(前置胎盤)や双子などの多胎妊娠、逆子といった経膣分娩が難しいとあらかじめ予想される場合は手術日を事前に決める「予定帝王切開」が行われます。

経膣分娩の進行途中に母子の状態が急変し、早期に出産を終わらせなければならない場合には緊急帝王切開が行われます。

帝王切開での出産経験がある場合、多くのケースでその後の出産でも帝王切開が選ばれる傾向にあります。
なぜなら帝王切開後の出産では、陣痛による子宮破裂のリスクがあるためです。

ただし母子の状態によっては、帝王切開後であっても経膣分娩を行えるケースもあります。

出産病院の種類

出産する病院の選択肢は、総合病院・大学病院、産婦人科クリニック、助産院の3種類で、それぞれ以下のような特徴があります。

①総合病院・大学病院

  • 複数の診療科がある
  • 基礎疾患のある母体の妊娠・出産に対応できる小児科(あるいは新生児科)があるため、赤ちゃんに先天性の異常があるとわかっている場合には出生後すぐに対応できる
  • 医療設備が充実している
  • 緊急時の対応も迅速
  • 出産予約をするにあたって、紹介状が必要なことがある

②産婦人科クリニック

  • 妊娠から出産まで一貫して同じ医師に診てもらえることが多い
  • サービスの充実度(食事内容、快適な病室、産後のリフレッシュプランなど)が高い
  • 合併症が発見された場合は転院となる可能性あり

④助産院

  • 合併症のない母子で、自然分娩のみ対応可能なことが多い
  • アットホームな雰囲気で(幼い子供を含む)家族の立ち会いが可能なことが多い
  • フリースタイル分娩など自身の希望を尊重してもらえることが多い
  • 医師が行う医療行為は一切行えない
  • 分娩が途中で止まってしまったり、何か異常が起これば転院が必要

出産の病院選びの際に重視する点

ポイント

出産する病院を選ぶ際は、自宅からの距離、設備・サービス、医師・助産師との相性、希望のバースプランに沿える病院、アフターフォローの有無、セミオープンシステムの有無などを重視しましょう。

①自宅からの距離

出産直前はお腹が大きくなり、陣痛があれば移動の負担も大きくなるため、できる限り身近な病院を選ぶことを推奨します。

まずは、お住まいの地域にある産院の中から、自宅より車で30分以内を目安にピックアップしましょう。
万が一のことも考慮し、交通機関を利用しなくても到着できる病院を選ぶことが大切です。

②出産にかかる費用

母子ともに健康な正常分娩の場合は健康保険適用外のため、入院や分娩などにかかる費用は事前に知っておきましょう。
正常分娩の出産費用は、平均40万~50万円が相場といわれています。

ただし、帝王切開などの異常分娩になった場合は健康保険が適用されます。
食事代、差額ベッド代、新生児の保育などにかかる費用は保険適応外のため自己負担になります。

※厚労省に出産育児一時金を要請することも可能です。
出産育児一時金の支給額・支払方法について

③設備・サービス

安心して出産に臨むためには、医療設備が十分であるかどうかを事前に確認することは大切です。

持病を持つ場合の出産に対応しているか、無痛分娩を希望する際には麻酔科医あるいは麻酔に精通した産婦人科医がいるのか、産後は母子同室なのかどうか、また家族の立ち合いなどの環境はどうかなどを事前に確認しておくのが良いでしょう。

生まれてきた赤ちゃんに医療ケアが必要である場合に、他院への搬送が必要なのかどうかも確認しておきたい内容です。

出産前後は精神的に不安定になることが多く、大部屋の場合には物音やプライバシーなどに敏感になることがあります。
十分な数の個室があるかどうか、個室使用料もチェックしておきましょう。

出産のための入院では病気で入院する場合と異なり、施設によってさまざまな医療外サービスが提供されることがあります。

出産後の「お祝い御前」といった特別な食事やデザートはもちろん、産後のエステサービス、生まれてきた赤ちゃんへのちょっとしたプレゼント、粉ミルクやおむつの支給など施設によって特徴があります。

医療以外に提供されるサービスについて、ホームページなどで調べてみることも産前の楽しみになるかもしれません。

④医師・助産師との相性/病院の評判

妊婦さんの希望に寄り添ってくれる病院もあれば、対応が業務的だと感じる病院もあるでしょう。
病院の評判などは口コミサイトを参考にしたり、実際に出産した知り合いに確認するとよいでしょう。

また各病院で行われる「両親学級」などのイベントも施設の雰囲気を知るよい機会になります。

通院をしてみて「どうしても自分には合わない」と思うことがあれば転院することも可能です。
しかし、妊娠週数によっては受け入れを制限している病院もあるので注意が必要です。

また母子の状態によっては、選べる病院が限られることもあります。

⑤希望のバースプランに沿える病院

出産時の思い出を残したい方は多いかと思います。
病院によっては出産時の撮影ができない、訪問者の年齢制限があって兄弟が入れないなどのケースもあります。

以下のような点に着目し、事前に調べておくと安心です。

  • 立ち会い出産の可否
  • 出産時の写真撮影や録画の可否
  • 訪問者の年齢制限

⑥アフターフォローの有無

初産の場合は、出産後のアフターフォローがあると安心です。

産院の中には、産後に育児指導をしてもらえる、母乳外来といった母乳に関する相談ができる場があるなど、アフターフォローが充実しているところもあります。

⑦セミオープンシステムの有無

セミオープンシステムは、妊婦健診と出産を別々の施設で行うシステムです。
このシステムを利用すると、通常の妊婦健診は自宅近くのクリニックで受けることができ、出産は連携している設備の整った病院で行うというものです。

セミオープンシステムでは、出産ができる設備の整った病院が遠方にしかない場合でも、出産まで複数回ある妊婦健診は近くのクリニックで受けられます。
そのため、利便性が良く、交通費などの費用を抑えられるのがメリットです。

出産の病院選びのためのチェックリスト

チェックリスト

出産の病院を選ぶときには、以下のようなポイントを参考にしてください。

  • 自宅からの距離
  • 入院・出産にかかる費用
  • 設備・サービス
  • 医師・助産師との相性
  • 希望のバースプランに沿える病院
  • アフターフォローの有無
  • セミオープンシステムの有無

サービス内容や病院の雰囲気をチェックするには、病院の公式ホームページや、ネット上の評判などが参考になります。

また「設備・サービス」と「医師・助産師の相性」の項目は、多くの方が後悔しやすいポイントです。
安心して赤ちゃんを迎えるためにも、産院選びの際は十分に確認しましょう。

まとめ

出産の病院選びは、母子の状態や妊婦さんが希望するポイントによって大きく左右されます。
もちろん、自宅からの距離や費用も重要ではあるものの、自分が納得して赤ちゃんを迎えられる病院が一番です。

実際に出産直前の入院と出産後のタイミングで、選択した病院に後悔したという方もいます。
本記事でご紹介したポイントを踏まえ、ネット上や周囲の評判なども参考にすると、自分に合った病院が選びやすいでしょう。

産院は妊婦健診から出産まで、同じ病院でなければならないと思われがちです。
しかし、最近では、それぞれを別々の病院で受けられるセミオープンシステムのような制度もあります。

病院食などのサービスも病院によって異なるため、出産後まで快適に過ごせるよう、さまざまな観点から病院を選ぶことが大切です。

以上お読みいただきまして、少しでも出産の病院選びの際にお役に立てましたら幸いです。

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