口臭はどこで相談すべき?失敗しない口臭の病院の選び方|疾患情報【おうち病院】

記事要約

「口が臭うのではないか気になる」「親しい人や家族から口臭について指摘された」「病院はどう選べばよいのか」と悩む方は多いと思います。そこで、口臭の種類や病院の選び方など、口臭の治療に役立つポイントを解説いたします。

自分の口臭が気になっている、家族や親しい人たちから口臭が気になるといわれた、病院をどのように選べば良いのか分からないと悩んでしまう方もいるでしょう。

そこで、今回は口臭の種類やそれぞれの病院ごとの特色などにふれたうえで、口臭の病院選びの際に役立つポイントについてみていきましょう。

口臭とは

口臭とは、呼吸や会話をする場合に、口から出る息が臭うことにより、他人が不快に感じてしまう状態をさします。
口臭の臭い成分は、血球成分や新陳代謝ではがれた粘膜上皮などのタンパク質を口の中の細菌が分解することで硫化水素などの揮発性硫黄化合物が発生するために発生するものです。

そのため、口臭の強さは口の中の細菌・唾液の量・汚れなどで異なります。

口臭の原因

口臭の原因は大きく分けて2つです。

1つ目は、消化不良や糖尿病、肝機能の低下など体の内部に原因がある場合です。
以下のような特徴があります。

  • 消化不良により何かが腐ったような臭い
  • 糖尿病では甘酸っぱい臭い
  • 肝機能の低下ではアンモニア臭

2つ目は口の中に原因がある場合です。
舌の汚れや歯の汚れ、虫歯、歯周病などは口臭の原因となります。
病的な口臭の80%以上は口の中に原因があると言われています。

口臭の病院を受診するタイミング

口臭の病院を受診する時期は、自分の口臭が気になった時や他人から指摘された時です。
しかし、一時的な生理的口臭や口の中の不衛生によるものに関しては、歯磨きやデンタルリンスなどでセルフケアで行うことが可能です。

セルフケアを行っても口臭が改善しない、口臭が気になる場合は医療機関での受診をおすすめします。

口臭は歯周病や虫歯などの口腔トラブルのサインであることも多いため、まずは一般歯科を受診しましょう。
歯科以外の病気が原因で起こる病的口臭に関しては、消化器科や呼吸器科などそれぞれの病気にあわせた治療が必要です。

口臭の検査

口臭検査

口臭の検査は、口臭の原因を調査するために行います。
検査の項目に関しては、問診の他に以下のものがあります。

  • 虫歯の検査:虫歯の有無や進行度合いを確認
  • 歯周病の検査:歯周ポケットの炎症度合いを確認
  • 舌苔検査:舌の上の汚れ(舌苔)の量に異常がないかの確認
  • 官能試験:呼気の臭いを嗅いで判定を行う
  • 尿検査:口臭の原因が全身的な疾患に起因する可能性があるため、スクリーニングを行う
  • 唾液検査:唾液の分泌量、酸を中和する能力を測定し、唾液の性状を観察
  • 口臭測定器:口の中の臭い成分の濃度測定を行う

口臭の原因に関しては、検査を行ったうえで結果を分析し、総合的に判断される点を把握しておきましょう。

口臭の種類

口臭の種類は生理的口臭、病的口臭、外因的口臭、心因性口臭の大きく4つに分かれています。
それぞれの原因によって、発生原因が大きく異なるため、注意が必要です。

《1》生理的口臭

誰にでもある臭いであるものの、起床した直後や空腹時、緊張時に口臭が強まります。
理由は、唾液の分泌が減少することで、細菌が増殖し、口臭の原因物質が多く作られるためです。

また、年齢によって唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥しやすくなるため、口臭が強まることもあります。

女性の場合は、生理・妊娠時などでホルモンバランスが変化することで発生する口臭もあります。
この他にも乳幼児期~老齢期までそれぞれ年代固有の臭気がある点が特徴です。

《2》病的口臭

病的口臭には、歯周病やドライマウス、虫歯などの口の中の病気による口臭、糖尿病や肝臓病等の全身の病気による口臭の2種類があります。
とくに、病的口臭は口の中の病気が原因で発生するケースが多い点が特徴です。

病的口臭は原因である病気の治療を受けることで口臭の減らし、診断を受けて根本から治療することが大切です。
口の中に原因がある場合は、歯科医院を受診し、口の中以外の原因が疑われる時は、かかりつけ医や口臭外来を設けている病院などに相談しましょう。

《3》外因性口臭

ネギやニンニクなどの臭いの強いものを食べた後やアルコールを飲んだ後は、体内で消化吸収された臭い物質が血液で運ばれて、肺から呼気として排出されて臭うことがあります。

外因口臭は一時的なものであるため、治療の必要はないものの、タバコに関しては注意が必要です。
タバコは、タールやニコチンなどの成分が臭うだけでなく、口臭や歯周病の悪化する原因となります。

また、口臭につながる病気を誘発する原因ともなるため、注意しましょう。

《4》心因性口臭

口臭検査でも口臭が認められず、本人だけが口臭があると思い込んでしまう口臭のことです。
自分の口臭を必要以上に心配するため、周りの人の仕草や言葉に敏感になります。精神的に不安定な人や神経質な人に多くみられます。

改善するためには、歯科医などの専門家に口臭の有無を確認してもらったうえで、自分の口臭のイメージを改善・認識することが大切です。
場合によっては、精神科医などによるカウンセリングが必要な場合があります。

口臭治療の病院の種類

口臭の治療を行うにあたっては、病院の種類を知っておきましょう。
口臭の場合は、歯科医院、原因疾患の専門科、精神科や心療内科に通院する場合があります。

《1》クリニックなどの歯科医院

口臭の原因として、歯周病や虫歯など歯科の領域にあることが多いため、口臭治療を行う場合は、最初に受診すべきです。

クリニックによっては、口臭治療を専門的に行う口臭外来を設けている場合があります。
口臭外来では治療を受けられるだけでなく、予防方法を教えてもらえます。

セルフチェックで確認を行い、口臭が疑われる際には早めの受診をおすすめします。

《2》病院など疾患の専門科

口臭が歯科以外の原因である場合に受診します。
病院によっては口臭外来を併設しているところもあります。

また、以下のように、臭いの特徴によって疑わしい原因疾患を推定することが可能です。

  • 呼吸器系疾患:アセトン臭
  • 耳鼻咽喉系:タンパク質の壊疽(えそ)臭
  • 肝疾患:アンモニア臭
  • 腎機能の低下:ジルチルアミンやトリメチルアミン、アンモニア臭
  • 糖尿病:アセトン臭

それぞれの疾患の専門科で治療を受けることで口臭を解決できます。

《3》精神科や心療内科

心理的口臭の改善の場合に受診することをおすすめします。
予約できるかどうかは確認が必要です。

カウンセリングや認知行動療法で解決できます。

それぞれの特徴を把握したうえで、自分が通う病院を選択することが大切です。

口臭の病院選びの際に重視する点

ポイント

口臭の治療について複数の病院で迷っている場合は、アクセス・口臭治療にかかる費用・検査内容・プライバシーの配慮・複合的な治療ができるなどのポイントを意識して選択しましょう。

評判に関しては、インターネット上でもある程度把握できるものの、あくまでも参考程度に留めて判断することが大切です。

《1》アクセス

口臭の病院は、自宅や職場などから近い場所の方が通いやすいといえます。
住んでいる場所によっては、徒歩で通える場所も少なくありません。

そして、アクセスに関しては、継続的に通うことを前提に検討することを意識することが大切です。
理由としては、口臭は短期間で改善するが難しく、3ヶ月程度の期間を要することが多いためです。

場合によっては歯科医院以外への通院も必要となるため、診療時間は確認しておきましょう。
例えば、紹介された専門医に通う場合も休日が合わなければ通えなくなってしまうため、注意が必要です。

《2》治療にかかる費用

口臭治療の初診時で、保険が適用される場合は3割負担となるため、3,000円~5,000円が目安です。
しかし、検査項目や使用機器によっては、保険が適用されません。

自由診療となった場合には、3万円~5万円程度の費用がかかるケースがあります。

歯医者や病院ごとに口臭治療にかかる費用は異なります。
また、病院によっては費用が違う口臭治療のコースが複数ある場合もあるため、費用と治療内容を考慮して選択することが大切です。

《3》検査内容

口臭の原因を特定するためには、さまざまな検査が必要です。
口臭は他の人にわかるものから、本人しか認識していない臭いもあります。

そのため、来院した経緯や口臭が気になったきっかけなどを聞いてくれる、カウンセリング時間が30分以上確保されている病院を選びましょう。

また、高精度の口臭測定器があると客観的な臭いをしっかりと測定でき、治療前と治療後の比較を正確に行えます。
そのため、オーラルクロマ、BBチェッカーなどの機器があるか確認しましょう。

口臭の原因の中には、口の中の検査だけでは発見できない原因があるため、血液や尿検査なども実施されているか確認することも大切です。

《4》プライバシーの確保

口臭の悩みを家族などにも相談できず、悩んでいる方もいます。
また、口臭治療を受けていることを家族や友人、知人に知られたくないと思っている方も少なくありません。

そのため、プライバシーの保護に考慮されているかどうかは、通院する病院を選ぶ時の重要なポイントです。

病院によっては、患者のプライバシーを確保するために個室のカウンセリングルームや診療室を用意している病院もあります。
また、通院を知られたくない患者のニーズに配慮し、看板を設置しない、入りやすく、交通アクセスの良い場所で診察を行っている病院があります。

《5》複合的な治療ができる

一人ひとりの口臭に関する悩みは人それぞれ違いがあります。
そのため、自分の状況に合わせて治療内容を立案してくれる病院を選択しましょう。

また、口臭治療は直接的に臭いを防ぐ歯磨き粉や洗口剤以外だけでなく、体質改善を行うための漢方薬を処方するところもあります。
処方される薬に関しても、治療内容と同様に個人個人に適したものが処方されるような病院を選ぶことが大切です。

口臭の原因によっては、歯科の領域だけではなく、他の診療科と連携して治療に当たる必要があります。
こうした点を意識しつつ、診察内容に適した病院を選びましょう。

口臭の病院選びのためのチェックリスト

チェックリスト

口臭の病院を選ぶときには、以下のようなポイントをご参考にしてみてください。

  • アクセス
  • 治療にかかる費用
  • 検査内容
  • プライバシーの確保
  • 自分に合った治療を行ってくれる

今回取り上げたポイントを確認する際には、通院を考えている病院のホームページなどで治療を行っているスタッフや病院の雰囲気、治療内容などをしっかりと確認しましょう。

これまでの実績や治療を受けやすい環境であるのか確認するためにも、通院を検討している病院の評判や口コミも確認することをおすすめします。
口臭治療は複数回の診察が必要となるため、自分で集めた情報を総合的に判断しつつ、どの病院に通院するかを決定しましょう。

症状によっては、複数の病院への通院が必要になることも考慮することも大切です。

まとめ

口臭治療を行う際には、アクセスだけでなく、診察時間や検査内容なども考慮しながら通院する病院の候補をいくつか取り上げることが大切です。
また、口臭治療を受けていることを家族や友人などに知られたくない場合は次の点を把握しましょう。

  • 看板を設置していない
  • 個室診察室などを設ける

口臭は口の中の状況や全身の疾患・外因性、心理的なものなど複数の原因が考えられます。
そのため、検査を受けたうえで「自分に合った治療を行ってくれる病院に通いたい」「もっとしっかりと話を聞いてほしい」などの要望が生まれることもあるでしょう。

口臭治療は複数回の診察が必要な治療です。
病院選びのポイントを意識しつつ、自分が通院しやすい病院を選択しましょう。

お読みいただきありがとうございました。
今回の記事が口臭治療の病院選びの参考となれば幸いです。

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