家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)|clila疾患情報

【目次】
1.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)とは
2.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の原因
3.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の疫学的整理
4.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の症状
5.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の診断
6.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の治療
7.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の相談目安

 

1.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)とは

血液中の悪玉コレステロールであるLDLコレステロールは、肝臓の細胞表面にあるLDL受容体と呼ばれる蛋白によって細胞の中に取り込まれ壊されます。家族性高コレステロール血症では、LDL受容体の遺伝子やこれを働かせる遺伝子に異常があり、血液中のLDLコレステロールが細胞に取り込まれずに血液の中に残り、動脈硬化の原因となる常染色体優性遺伝の病気です。英語では、familial hypercholesterolaemiaといい、頭文字からFHの略語で表記されることもあります。

 

2.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の原因

家族性高コレステロール血症の原因となるのは血中LDLの異化を担うLDL受容体の他、アポリポ蛋白B-100(アポB-100)、Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9(PCSK9)など、いずれもLDL受容体経路において重要な役割を果たす遺伝子に変異が起こることが原因とされています。

 

3.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の疫学的整理

家族性高コレステロール血症のホモ接合体は、LDLがほとんど代謝されない病気で、ヘテロ接合体は、LDLが健常人の半分程度代謝される病気です。令和2年の指定難病受給者所持数によると、日本国内で352名の方が家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の治療を受けています。ヘテロ接合体の方も併せると患者総数は25万人以上と推定されます。様々な遺伝性代謝疾患の中でも最も頻度が高い疾患であり、治療を受けている高LDLコレステロール血症の方の約8.5%を占めるとする報告がなされています。

 

4.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の症状

腱の肥厚、皮膚黄色腫、角膜輪を認めることがあります。早発性冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)を併発した場合には、胸痛、胸部圧迫感、息苦しさ等の胸部症状を伴うことがあります。

 

5.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の診断

家族性高コレステロール血症は、高 LDLコレステロール血症、アキレス腱肥厚や皮膚黄色腫、および家族歴により診断します。アキレス腱肥厚は視診、触診、もしくはX 線撮影を施行し、アキレス腱の最大径が9mm以上で肥厚ありと診断します。皮膚・腱黄色腫は手、肘、膝などの伸側に好発します。また、遺伝形式上、家系内に早発性冠動脈疾患(発症年齢:男性55歳未満、女性65歳未満)の発症を認めることが多く、家族歴の確認が極めて重要です。そのため、家族性高コレステロール血症と診断された場合、家族のスクリーニング検査を検討します。
家族性高コレステロール血症ホモ接合体は血清 T-Cho値 600mg/dL 以上、小児期からみられる黄色腫と動脈硬化性疾患の存在、両親がへテロ接合体である特徴があります。ヘテロ接合体の重症例と区別が困難な場合もあり、家族性高コレステロール血症ホモ接合体の確定診断には、遺伝子解析による診断が必要です。
LDL代謝経路に関わる遺伝子の遺伝子解析、あるいはLDL受容体活性測定によってFHホモ接合体であると診断された場合、空腹時の総コレステロール値が450 mg/dL(LDLコレステロール値が370mg/dL) 以上、あるいは小児期より皮膚黄色腫が存在するなど重度の高コレステロール血症の徴候が存在し、薬剤治療に抵抗性の場合が家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)と診断されます。

 

6.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の治療

生活習慣の改善、適正体重の指導と同時に、脂質コントロール(LDLコレステロール 一次予防:<100mg/dl 二次予防:<70mg/dl)を開始し、第一選択薬であるスタチン系薬剤を速やかに最大耐用量まで増量します。エゼチミブ(®ゼチーア)、PCSK9阻害薬(®レパーサ)、MTP阻害薬(®ジャクスタピッド)、陰イオン交換樹脂(®クエストラン、®コレバイン)、プロブコール(®シンレスタール)の投与、可及的速やかなLDLアフェレシスの導入などが挙げられます。
家族性高コレステロール血症は、冠動脈および大動脈弁に若年性動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や狭心症、 大動脈弁狭窄、大動脈弁狭窄を合併することもあるため、特にホモ接合体では弁置換術を必要とすることもあります。
シトステロール血症、脳腱黄色腫など皮膚黄色腫を示す疾患との鑑別診断、甲状腺機能低下症やネフローゼ症候群などの高LDLコレステロール血症を示す疾患との鑑別診断が問題となります。

7.家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の相談目安

血液検査でLDL高値を指摘されたとき、肘や膝などに黄色いできものができたとき、親戚内で家族性高コレステロール血症の診断を受けた方がいる場合などが相談の目安となります。

 

久保田 英里循環器内科医国立大学医学部卒。総合病院で初期研修後、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全などの疾患の治療に従事。現在はその経験を元に、患者さんの気持ちに寄り添うことを心がけながら日々診療にあたっている。

 

<リファレンス>

難病情報センター家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/226

 

    コメントを書くにはが必要です。

    カテゴリー

    タグ

    不安が解消できない場合には、
    実際の医師に直接相談できる、
    オンライン相談サービス、
    「anamne(アナムネ)」
    をご利用下さい。